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センス・オブ・ワンダー

退屈から錯覚へ:ティーンエイジャーの冒険心の内側で

M.C.エッシャーの学生時代とその30年後に制作された版画に着目した初の企画展です。エッシャーが通っていたアーネムの中等学校の現実の世界と、エッシャーが戦後に制作した版画には、かなり共通する部分が見られます。1935年にエッシャーがイタリアを去ってからはエッシャーの版画には現実との関係性はほとんど見られない、と一般的には考えられています。初期のエッシャーの作品の特徴である「ランドスケープ(風景)」に対するのものとして、「マインドスケープ(心象風景)」が語られます。

エッシャーが「アーネムの地獄」と呼んだ学生時代は、《もう一つの世界》や《相対性》などの版画作品、そしてその他の関連作品にとって、明らかに重要な意味を持っていました。

このような研究を基に「センス・オブ・ワンダー 退屈から錯覚へ:ティーンエイジャーの冒険心の内側で」という企画展が生まれました。

マウリッツ・C・エッシャーが、オランダ東部のアーネムのスクール通りにあったホヘレ・ブルゲル学校(H.B.S.)に通ったのは14歳の時でした。

別世界 (Other World)
階段H.B.S. アーネム

相対性 (Relativity)
階段H.B.S. アーネム

後に、エッシャーは中等学校時代のことを「生き地獄」と言っていました。1904年に建てられた威厳のある学校に到着すると、まず2階へと続く大きな階段がありました。

次の階では、すぐにそこで左に曲がるか、またはその先のもっと狭いロマネスク式を模した階段を右に曲がることになります。

10代のエッシャーは、信じられないほど学校に退屈していましたが、私たちはそれを感謝すべきかもしれません。というのは、そのために、エッシャーは夢見がちになり、空想の世界を広げていったからです。

若き日のマウリッツ・C・エッシャーは、繰り返される階段や崩れ、ねじれ、回る空間を心の中で作り出していきました。

このようなイメージはエッシャーが大人になっても残っていたので、成熟した芸術家になった際、見たところはあまり苦労せずに、同じ空間を異なる視点で描くという方向性を探ることができました。

1963年に行われた講演でエッシャーは自身の作品について次のように簡潔に述べています。

「存在しないものに注意を向けたかったら、不可能という要素を隠すような方法でストーリーを提示することによって、まず自分自身を、そして観客を騙すようにすべきだ。そうすれば、うわべだけを見ている客は気が付かないものだ。その中には、すぐには目に留まらないような、ある種の不可解さがなければならない。」

友人であったブルーノ・アーンストへの初期の手紙では、エッシャーはこのように言っています。

「私は、驚きという要素に特に焦点を当てているのかもしれない。そして、作品を見ている人々にセンス・オブ・ワンダー(驚きの感覚)を呼び起こそうとしているのだ。」

「センス・オブ・ワンダー」はエッシャーの常設展示に加わりました。